人事戦略

2024.08.19

人事異動とは? 目的や社員を適材適所に配置するためのポイント、実施手順を紹介

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人事異動とは? 目的や社員を適材適所に配置するためのポイント、実施手順を紹介

人事異動は適切に実施することで組織の活性化や業績向上に繋がる一方で、慎重に計画しなければ社員のモチベーションや生産性が低下するリスクもあります。 この記事では、人事異動の種類や効果、実施のポイントなどについて詳しく紹介します。

人事異動の種類について

一口に人事異動といっても様々な種類があります。以下に、代表的な人事異動の種類を5つご紹介します。

  • 部署異動
  • 昇進・昇格・降格
  • 転勤
  • 海外勤務・駐在
  • 出向

部署異動

社員が現在の部署から他の部署へ異動することです。業務の適正配置、新たなスキルの習得、キャリア形成の一環として行われます。(例: 営業部から企画部への異動)

昇格・降格

社員の役職や職位が上下することです。責任や権限の変更が伴うことが一般的です。努力や成果に報いて評価したり、組織を再編成したりなどの理由で行われます。(例: 課長から部長への昇格)

転勤

同じ会社の異なる勤務地への異動です。人材の適正配置、事業の展開、地域特有の市場対応などを目的に行われます。(例: 東京本社から大阪支社への転勤)

海外勤務・駐在

海外の支社や関連会社への異動です。グローバルな視点や経験を得るため、あるいは、現地での業務を円滑に進めるための人材配置として行われることが一般的です。(例: 日本本社からアメリカ支社への赴任)

出向

他の企業や関連会社に一時的に勤務することです。提携企業との連携強化や新たなスキル習得、事業の拡大などのために行われます。(例: 親会社から子会社への出向) これらの人事異動の種類は、企業や組織の目的や状況に応じて適切に使い分けられます。それぞれの異動には、社員の成長や組織の効率化、業績向上などの目的がありますが、社員の意向や状況を考慮しながら計画的に実施することが求められます。

人事異動の効果やメリット

人事異動には様々な効果やメリットがあります。以下に、5つの例をご紹介します。

  • 組織の最適化
  • 社員の成長促進
  • モチベーション向上
  • 人材の流動性向上
  • 組織文化の醸成

組織の最適化

社員のスキルや能力を活用し、組織全体のパフォーマンスを向上させられます。たとえば、特定のプロジェクトにおいて、スキルを持つ社員が必要な場合、その社員をプロジェクトチームに異動させることでプロジェクトの成功率を高めます。

社員の成長促進

社員が新しい役割や環境で経験を積むことで、スキルや能力を向上させられます。たとえば、若手社員が管理職を経験することで、リーダーシップや管理能力を養うことができます。また、社員が幅広いスキルと経験を身につけることで、将来的により高い役割を担う準備が整います​。

モチベーション向上

社員に新しい挑戦や責任を与えることで、やる気を引き出すことができます。たとえば、高い業績を上げた社員を昇進させることで、その社員だけでなく他の社員にも努力の成果が認められることを示すことができます。

人材の流動性向上

社員が異なる部署での経験を積むことで、組織内での柔軟な人材配置を可能にします。同時に同じポジションに留まり続けることによる社員のマンネリ化や不正の打破が期待できます。たとえば、営業部からマーケティング部への異動など、異なる視点から組織の問題を解決するためのアイデアを生み出すことができます。

組織文化の醸成

異なる部署間での交流を促し、組織全体の一体感を高めることができます。たとえば、部署間の異動を通じて、異なる部署の社員が協力し合い、共通の目標に向かって努力する文化を醸成することができます。結果、組織内のコミュニケーションが活発になり、チームワークが強化されます​。

人事異動を行うときの注意点

人事異動は、適切に行わなければ社員のモチベーションを低下させたり、業務の効率を下げたりするリスクがあります。以下に、具体的な注意点や好ましくない人事異動の例を5つご紹介します。

  • 社員の意向を無視しない
  • 過度な負担をかけない
  • 異動後の育成プロセスがない
  • 適切なタイミングを選ぶ
  • 透明性と公平性を持つ

それぞれ詳しく見ていきましょう。

社員の意向を無視しない

異動を希望しない社員に対して、強制的に異動を命じることは可能な限り避けましょう。強制的な異動は社員の不満やモチベーション低下を招き、最悪の場合退職に繋がります。たとえば、社員の妊娠や産休、介護の状況などを理由に、会社の一方的な判断で異動を命じるのは法律的にも規制されています(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)。

対処方法:事前に面談を行い、社員の意向や希望を聞き取ることで、異動の理由や意義を納得してもらうよう努めることが重要です。

過度な負担をかけない

新しい役割に対する適応期間を考慮せず、即戦力として高い成果を期待してはいけません。環境や業務に適応するためには時間がかかります。過度なプレッシャーは、異動した社員のパフォーマンスの低下やストレスの増大に繋がります​。

対応策: 異動後は段階的に業務を任せるようにし、サポート体制を整えて負担を軽減することが重要です。

異動後の育成プロセスがない

新入社員の入社時には、組織や仕事になじむための「オンボーディング」プロセスが用意されていることが多いですが、異動や昇格時には育成が蔑ろにされるケースが多いです。新しいポジションで、自分がどんな役割を期待されているのかがわからないと、これまで活躍できていた社員でもパフォーマンスが低下してしまいます。

対応策:異動後、昇格後においても、オンボーディングを行い、チームメンバーや業務に慣れるための適切なプログラムを開発する。

適切なタイミングを選ぶ

会社の繁忙期やプロジェクトの重要な局面での異動は避けましょう。業務に支障が出たり、プロジェクトの遅延を招く可能性があります​。同じ理由で、異動の数日前に突然通知を行うのも好ましくありません。引き継ぎが十分に行われず、業務の混乱に繋がります。

対応策: 業務の繁忙期を避け、比較的余裕のある時期に異動を計画することが重要です。また、引き継ぎ期間をしっかり設けることも必要です。少なくとも1ヶ月前には通知をし、引き継ぎ期間を確保しましょう。

透明性と公平性を持つ

異動の理由や目的を社員に十分に説明せず、突然異動を命じすべきではありません。透明性や公平性に欠ける人事異動は社員の不満を招き、組織内の信頼を損ないます。また、異動後の業務に対する意欲が低下する可能性もあります​。

対応策: 日頃から異動の基準や方針を明確にしておくことが大切です。異動を伝える段階においても、その背景や目的を明確に説明し、社員に納得してもらうことで信頼関係を築くことが重要です。

人事異動の実施手段

人事異動のプロセスを効果的に行うためには、計画的で段階的なアプローチが必要です。以下に、その手順を6つのステップに分けて説明します。

  1. ニーズの把握
  2. 対象者の選定
  3. コミュニケーション
  4. 計画の策定
  5. 実施
  6. フィードバックと評価

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.ニーズの把握

組織や特定の部署の状況を評価し、異動の必要性を明確にします。ここでは、現在の業務フローや各部署のパフォーマンスを分析し、どの部署にどのような人材が必要かを明確にする必要があります。

2.対象者の選定

異動対象者を選定し、その理由や目的を明確にします。選定において、各社員の過去のパフォーマンスやスキルを評価し、異動の適正を判断します。加えて、各社員のキャリアプランや希望を考慮し、異動が対象社員の成長にどう寄与するかを検討します​。

3.コミュニケーション

対象となる社員と個別面談を行い、異動の理由や期待される役割について詳細に説明し、理解と納得を得ます。その上で、対象者からの意見や懸念を聞き、異動計画に反映します​。

4.計画の策定

異動の具体的なスケジュールやサポート体制を策定します。異動のスケジュールには、実施日や引き継ぎ期間を含みます。異動後に必要なスキルを身につけるための研修プログラムを計画することや、異動先でのメンターやサポートチームを設けることも大切です。

5.実施

異動の決定事項を公式に通知し、引き継ぎや必要な手続きを行います。

6.フィードバックと評価

異動後のパフォーマンスや適応状況を定期的に評価し、フィードバックします。また、必要に応じて追加のサポートや研修を行うことも大切です。 人事異動の成功には、計画的な実施手順と社員との綿密なコミュニケーションが不可欠です。これにより、異動後のスムーズな適応と高いパフォーマンスを確保し、組織全体の成長を促進することができます。

まとめ

人事異動は、社員を適材適所に配置し、組織のパフォーマンスを最大化するための手段です。組織の最適化、社員の成長促進、モチベーション向上などの効果があります。一方で、適切に行われない場合、生産性の低下や離職のリスクがあるため、計画的な実施が求められます。

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