人材開発・教育
2024.08.08
チームビルディングとは? 組織を強くするための具体例・研修事例などをご紹介
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チームビルディングという言葉を聞いたことがあっても、具体的なイメージが湧かない方も多いでしょう。適切なチームビルディングを行うと、組織のパフォーマンス向上につながります。
当記事では、チームビルディングについて研修事例を交えながら詳しく説明します。ぜひ最後までご覧ください。
チームビルディングとは?
チームビルディングとは、チームの目標達成や組織のパフォーマンス向上を図るための活動のことです。チームの結びつきを深め、より良い成果が出やすい組織を目指します。
チームビルディングには、一般的に以下の5つのプロセスがあるといわれています。
- 形成期
- 混乱期
- 規範形成期
- 実行期
- 散会期
「タックマンモデル」と呼ばれる以上の概念について、順番に解説します。
形成期
形成期はメンバーがチームに参加し、お互いを知り合う時期です。チームの目的や役割を明確にする段階なので、まだ一体感がありません。リーダーへの依存度が高いのも特徴的です。
混乱期
混乱期はメンバーの個性や価値観の違いが表面化しがちです。意見の対立や感情的な衝突が起こりやすいので要注意です。
意見の違う人たちをまとめられないと、リーダーへの不満や反発が生じることも。チームの目的や方向性が揺らぐ可能性があり、仕事がスムーズに進まなくなります。
規範形成期
規範形成期は、打って変わってメンバーがお互いの違いを理解し、尊重し合うようになります。チームの目的や役割を再確認し、規範やルールを作り直す時期です。メンバーの協力体制が強化されることで一体感が生まれ、だんだんチームらしくなります。
実行期
実行期はチームの規範やルールに基づいて効率的に活動する時期です。メンバーが自主的に役割を果たし、協力し合います。リーダーは監督やサポートに徹し、メンバーの自主性を尊重すると上手くいくでしょう。
それぞれが役割を果たすことでチームの成果が上がり、目標達成に近づきます。ゲーム・ワークショップ・研修などを行うと、チームワークやパフォーマンスをさらに高められるかもしれません。
散会期
散会期はプロジェクトの終了や組織改編などにより、チームが解散する時期です。解散が決まって、メンバーは達成感や喪失感を感じることがあります。必要に応じてチームの再結成や新たなチーム編成を行います。
チームビルディングを実施する目的とメリット
チームビルディングを実施する5つの目的とメリットを以下のとおり紹介します。
- マインドセットの形成
- メンバー同士の関係強化
- パフォーマンスの向上
- ビジョンの浸透
- リーダーシップの醸成
マインドセットの形成
チームビルディングを通じて、メンバー全員が共通のマインドセットを持てるメリットがあります。マインドセットとは、物事に対する考え方や姿勢のことです。
仮に、「プロジェクトを成功させるためには協力が大切だ」という考えを共有するとしましょう。このマインドセットをもとに、開発チームがマーケティングチームや営業チームと連携をとって顧客の生の声を聞いて商品に反映できれば、売れる商品ができます。
共通の価値観や考え方を共有することで、社員同士の信頼関係も強化されます。
メンバー同士の関係強化
良好な人間関係が築ければ、コミュニケーションをとりつつ協力し合えるチームになります。
チームメンバー全員で問題解決に取り組む研修を通じて互いを理解する機会を設ければ、メンバー間の信頼感が高まり、円滑な意思疎通が可能になります。結果的に、仕事の効率が向上し、ストレスの軽減にもつながる効果も。
関係性の強化は、職場の雰囲気を向上させ、チーム全体の士気を高められます。
パフォーマンスの向上
チームビルディングを通じて、チーム全体のパフォーマンスを向上させられます。メンバーが互いに補完し合うことで、個々の弱点を補い、強みを引き出すことが可能です。
たとえば、チームメンバー全員で7km歩く研修を通じてそれぞれの性格を把握できれば、今後の業務で協力しやすくなります。また、共通の目標に向かって努力することで、達成感や満足感を得られます。これにより、メンバー全員が高いモチベーションを維持し、結果として業務全体の質が上がるでしょう。
ビジョンの浸透
経営陣が思い描くビジョンやミッションをメンバー全員に共有し、理解してもらうことで、会社の方向性が統一されます。
たとえば「世界中の顧客の満足のために、質の高い商品を適正な価格で供給すること」を経営理念として掲げたとしましょう。メンバー1人1人が「顧客満足度を上げるには」「適正な価格とは」と考えながら働くようになると、チーム全体が一丸となって進めます。ビジョンが浸透することで、メンバー間の連携が強化され、企業全体の目標達成に向けた意識が高まります。
リーダーシップの醸成
リーダーだけでなく、メンバー全員がリーダーシップを持って働くようになると、チーム全体のパフォーマンスが向上します。役割分担がはっきりしているチームビルディング研修を行うことで、各自が責任を持って役割を全うする意識が芽生え、リーダーシップが醸成されます。
実際のプロジェクトでもリーダーシップを発揮する機会を提供すれば、メンバーが自信を持ってチーム全体を牽引できるようになるでしょう。
チームビルディング研修の具体例
ここからは、チームビルディング研修の具体例を3つ紹介します。
- アチーバスジャパン株式会社のボードゲームを活用したチームビルディング研修
- 巨大な絵を描く株式会社ワークハピネスの研修
- 7つの習慣セルフコーチング研修
興味があれば貴社の研修に取り入れてみてください。
アチーバスジャパン株式会社のボードゲームを活用したチームビルディング研修
アチーバスジャパンの研修では、経営者や管理職自らがトレーナーとなり、ボードゲーム「アチーバス」を使った研修を実施します。「アチーバス」は勝ち負けを目的とせず、チームで協力しながら課題をクリアしていくボードゲームです。ゲームを通して、リーダーシップやコミュニケーション力、思いやりの心などを30分で学べます。
研修後には振り返りの時間を設け、学びを言語化することで定着を図ります。100社以上の企業に研修・社内教育として導入されている実績があるので、安心して取り入れられるでしょう。
巨大な絵を描く株式会社ワークハピネスの研修
ワークハピネスの研修では、組織のビジョンや理念を巨大なアート作品として全員で描きます。1から作成するわけではなく、専属デザイナーが事前に制作した、企業の理念やビジョンを反映したアートデザインを使用します。
参加者は小チームに分かれ、他チームと協力しながら全体の絵を完成させていきます。最後は完成した世界に一つしかない巨大な作品を全員で鑑賞。
アート制作を通して楽しみながら組織の一体感を高め、ビジョンを体現化・共有するユニークなチームビルディングアクティビティです。
7つの習慣セルフコーチング研修
「7つの習慣」と「セルフコーチング」を組み合わせた世界初のプログラムが、7つの習慣セルフコーチング研修です。「7つの習慣」の7つの原則を体系的に学習するワークショップ・ロールプレイ・振り返りなどの体験型学習です。
自分自身との対話を通して、習慣化への課題を発見し、解決策を見出していきます。職場の具体事例を用いたケーススタディも行い、実際の仕事に生かします。自己対話を通して、自分自身を成長させる力を養う研修です。
チームビルディングを成功させるための3つのポイント
チームビルディングを成功させるためのポイントは次の3つです。
- チームの目標を明確にする
- メンバー役割を明確にする
- メンバーの価値観を尊重する
それぞれ詳しく説明します。
①チームの目標を明確にする
チームの存在意義や目的をメンバー間で共有すると、チームの一体感が増します。「1ヶ月で100件架電する」など、達成すべき目標を具体的かつ明確に設定し、目標達成までの計画やスケジュールを立てると、やるべきことが明確になります。目標達成時には皆でお祝いするなどして、次の目標に向けてモチベーションを高めると、さらにやる気を高められるでしょう。
②メンバー役割を明確にする
メンバーの強みや専門性を把握し、適切な役割を割り当てることも大切です。役割と責任範囲を明確に定義し、メンバー間で共有します。
たとえば、コミュニケーションに強みのあるメンバーをリーダーにしてチームをまとめる役割を持たせると、まとまりやすくなるでしょう。定期的に遂行状況を確認し、必要に応じて調整することで、無駄なく業務を進められます。
③メンバーの価値観を尊重する
オープンなコミュニケーションを促進し、メンバーの意見や提案を積極的に取り入れることもチームには必要です。衝突が生じた場合はお互いを批判せず、メンバー全員で建設的な議論をします。
仮に業務のすすめ方で意見が割れても、冷静にお互いの言い分を整理してまとめれば、チームの方向性が見えてくるでしょう。協力して仕事を進めるには、メンバーの価値観を尊重し話し合う姿勢が重要です。
チームビルディングを行う際の注意点
チームビルディングを行う際の注意点を以下のとおりお伝えします。
- チームの発達段階に合わせた内容を選ぶ
- 全員が参加できる環境づくりが不可欠
- 一過性のイベントに終わらせない
チームの発達段階に合わせた内容を選ぶ
チームの発達段階(形成期、混乱期、規範形成期、実行期、散会期)を見極めて適切な施策を行いましょう。特に研修を行う際は、以下のように各段階に適したチームビルディングの内容を選択する必要があります。
形成期 | メンバーの相互理解を深めるアクティビティを中心に行う |
混乱期 | 衝突の解消やチームの方向性を再確認するワークショップを実施する |
規範形成期 | チームのルールや価値観を確立するためのディスカッションを行う |
実行期 | チームのパフォーマンス向上に焦点を当てた研修を実施する |
散会期 | チームの経験や学びを振り返るセッションを設ける |
研修の目的をはっきりと見据えて、適切なプログラムを選択しましょう。
全員が参加できる環境づくりが不可欠
チームビルディングには全員が参加できる環境づくりが不可欠です。メンバー全員が参加しやすい場所や時間帯を選択してミーティングを行います。
性別・年齢・役職・部署などメンバーの多様性に配慮した内容を準備できるとなお良いでしょう。参加を強制するのではなく、自発的な参加を促すコミュニケーションを心がけるのが理想です。
一過性のイベントに終わらせない
チームビルディング研修で得られた気づきや学びを、日常の業務に活かす方法を探ることも大切です。月1ペースなど、期間を決めてチームビルディング研修の効果を測定し、改善点を考えると良いでしょう。定期的にチームビルディング研修を行うと、さらに効果的です。
まとめ
今回は、チームビルディングについて、具体的な研修やポイントを詳しくお伝えしました。適切なチームビルディングを行うことで、仕事のパフォーマンスやエンゲージメントの向上が期待できます。
チームビルディング研修は一過性のイベントになりやすいため、効果を高めるために振り返りの時間を設けたり定期的に効果を測ったりする必要があります。仕事のパフォーマンスを最大限発揮できるチームを作れるように、全員で協力体制を築いていきましょう。