人事労務
2024.08.29
承認欲求が強い人の特徴とは? 職場での対処法や付き合い方、士気を上げる方法を紹介
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組織において承認欲求が強い人との関わりが避けられないことがあります。承認欲求の強い人の特徴を理解し、適切に対処することは、職場環境の改善や士気向上に繋がります。この記事では、承認欲求が強い人の特徴やその影響、職場での対処法について詳しく紹介します。
承認欲求とは?
承認欲求は、人が他者から認められたい、評価されたいと望む心理的欲求を指します。これは、人間が持つ自己肯定感を高めるための重要な要素です。
承認欲求は様々な形で現れます。たとえば職場では、昇進や表彰を求めることで、自分が有能であることを周囲に認めさせたいという欲求が働きます。このため、他者からの評価を得るために一生懸命働き、成果を上げることに努めます。プライベートでは、SNSでの「いいね」やフォロワー数の増加が承認欲求の代表的な現れです。投稿に対して多くの「いいね」やコメントを得ることで、自分が他者から認められていると感じることができます。
人間の根源的な欲求であり、適度な承認欲求は個人の成長を促しますが、これが過度に働くと人間関係の悪化や生産性の低下に繋がるため注意が必要です。
参照:日本経営心理士協会
承認欲求の強い人が組織に及ぼすメリット
「承認欲求が強い」というとネガティブな印象もありますが、実は承認欲求の強い人の性質を理解できれば、組織に対して多くのメリットをもたらすことができます。以下に、代表的なメリットを3つ紹介します。
- 組織のパフォーマンス向上
- 革新性の促進
- コミュニケーションの活性化
それぞれ詳しく見ていきましょう。
組織のパフォーマンス向上
承認欲求が強い人は、他者からの評価を得るために努力を惜しみません。高い目標を設定し、それを達成するために懸命に働きます。たとえば、昇進や評価を求めるために自ら積極的にプロジェクトに取り組み、質の高い成果を出すことがあります。このような行動が、組織全体のパフォーマンス向上に寄与することがあります。
革新性の促進
承認欲求の強い人は、周囲の注目を集めたいという欲求から、既存の枠にとらわれないアプローチを試みるなど、新しいアイデアや革新的な方法を提案する傾向があります。これにより、組織に新しい風を吹き込み、革新を促進する可能性があります。
コミュニケーションの活性化
承認欲求の強い人は、他者から認められるためにコミュニケーションを積極的に行います。自分の意見やアイデアを他者に伝え、フィードバックを求める姿勢は、組織内のコミュニケーションを活性化させ、チームワーク向上に繋がることがあります。
承認欲求の強い人が組織に及ぼすデメリット
承認欲求の強い人の存在は、組織に対してパフォーマンスの向上や革新性の促進をもたらす一方で、デメリットをもたらすこともあります。以下に、デメリットを3つを紹介します。
- チームワークの低下
- 精神的疲弊のリスク
- 競争による職場環境の悪化
それぞれ詳しく見ていきましょう。
チームワークの低下
承認欲求が強い人は、他者よりも自分が評価されることを優先するため、チームの一体感を損なうことがあります。たとえば、他人の成果を自分のものとしたり、チームメンバーのミスを責めることで、自分の評価を高めようとすることがあります。これにより、チーム内の信頼関係が崩れ、協力的な雰囲気が損なわれるリスクがあります。
精神的疲弊のリスク
承認欲求が強い人は常に評価を求めるため、プレッシャーを感じやすく、ストレスが蓄積しやすいです。精神的な疲弊がパフォーマンスの低下に繋がり、結果的に周囲の社員に負担をかけ、長期的には組織に悪影響を与えることがあります。
競争による職場環境の悪化
承認欲求が強い人は、他人が評価されることに対して嫉妬心を抱きやすいです。他者に対して競争心をあらわにすることで職場環境がギスギスすることがあります。嫉妬や競争が過度になると、組織の雰囲気が悪化し、全体の生産性が低下するリスクがあります。
承認欲求が強い人の特徴
承認欲求が強い人にはいくつかの共通する特徴があります。職場での人間関係を円滑に保つためには、これらの特徴を踏まえた適切な対応が重要です。以下に代表的なものを5つ紹介します。
- プライドが高く目立ちたがり
- 責任転嫁をする
- 他人を嫉む
- 依存しやすい
- 努力家である
特徴を理解することで、承認欲求が強い人との接し方や対処法を見つけやすくなります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
プライドが高く目立ちたがり
承認欲求が強い人は、自分が他人より優れていると感じたいという強い欲求を持っています。このため、他人に対して高いプライドを見せたり、見栄を張ったりすることが多いです。また、自分が注目を集めたいという欲求が強いことから、突飛な行動を取って周囲の注目を集めようとする傾向があります。
責任転嫁をする
自分の犯したミスを認めることができないことが多くあります。なぜなら、ミスにより失敗が知れ渡ることは、プライドに傷を付けるからです。そのため、「上司に命令されてやった」や「自分の担当ではなかった」などと他人に責任を押し付けるケースがあります。
他人を嫉む
他人が自分よりも高く評価されると、それに対して嫉妬する傾向があります。「あの人より自分のほうが優れているのに」という思いから、他人を妬み、場合によっては攻撃することで、職場の人間関係が悪化するケースも見られます。
依存しやすい
承認欲求が強い人は、他者からの評価に過度に依存します。そのため誰かに認められたり、必要とされたりしていないと精神的に落ち着かなくなるケースがあります。たとえば恋愛においては、相手に受け入れてもらえないとストーカー行為に及ぶことがあります。
努力家である
承認欲求が強い人は、他者から認められるためならば努力を惜しみません。周りからの賞賛や評価を得るため目標に向かって一心不乱に取り組むことが多いです。しかし、その努力が実らない場合、他者を蹴落として相対的に自分の評価を上げようとする行動に出る場合もあります。
承認欲求の強い人との付き合い方
承認欲求の強い人との付き合い方は、それが上司であるか部下であるかによって、アプローチが異なります。下記に、そのアプローチ方法を3つずつ紹介します。
承認欲求の強い人が部下にいる場合
【明確な目標設定と具体的なフィードバック】
部下の承認欲求を満たすためには、明確な目標を設定し、達成した際には具体的なフィードバックを行うことが重要です。ポジティブなフィードバックは、部下のモチベーションを高める効果があります。
【業績の公認】
部下の努力を公式な場で認めることも効果的です。たとえば、全社会議や社内報での表彰などが考えられます。
【適切なチャレンジを与える】
部下の成長を促すために、適切なチャレンジを与えることが大切です。新しいプロジェクトやリーダーシップの機会を提供することで、自己実現欲求を満たします。
承認欲求の強い人が上司にいる場合
【貢献を認める】
上司の承認欲求を満たすために、彼らの努力や貢献を認めることが重要です。たとえば、プロジェクトが成功した際には上司のリーダーシップを称賛したり、感謝の気持ちを伝えることも効果的です。
【意見を尊重する】
上司の意見を尊重し、積極的に取り入れることも重要です。彼らの提案や指示に対して肯定的な態度を示すことで、承認欲求を満たします。
【成果を報告する】
上司が設定した目標やプロジェクトの進捗を定期的に報告し、成果を共有することが大切です。これにより、上司が自分の指導力が評価されていると感じることができます。
上記の方法は、特別に承認欲求が強い社員のみならず、すべての社員に対して有効といえます。自分の貢献が認められ、賞賛(セレブレーション)を受けるのは誰しも嬉しいものです。このような点を意識することにより、組織全体のモチベーションを高め、パフォーマンス向上に繋げることができます。
参照:社員研修のリスキル
まとめ
承認欲求が強い人との付き合いは一筋縄ではいかないこともありますが、その特徴を理解し、適切に対処することで、職場の士気を高めることができます。組織全体の成果を向上させるためには、適切な評価システムやフィードバックの導入が重要です。承認欲求を上手に利用し、ポジティブな職場環境を築いていきましょう。