人事戦略

2024.12.19

レコグニションとは? 社員の定着率向上などのメリットや導入方法、導入事例などを紹介

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レコグニションとは? 社員の定着率向上などのメリットや導入方法、導入事例などを紹介

「レコグニション」は、組織のエンゲージメント向上や離職率低下に寄与する取り組みです。近年、​​報償やボーナスと合わせて導入する企業が増えています。この記事ではレコグニションの意味や注目されている理由、企業へのメリット、導入のステップなどを詳しく紹介します。

レコグニションとは

「レコグニション(Recognition)」は、「承認」「認識」「認めること」といった意味を持ちますが、ビジネスシーンにおいては、社員やチームの貢献や成果を価値のあるものとして再認識し、賞賛や感謝を表明するという意味で使用されます。

たとえば、業務を効率的に遂行したり、チームに貢献したりした社員に対して、上司や同僚から感謝の言葉をかけたり、社内で賞賛したりすることがレコグニションにあたります。レコグニションを意識的に取り入れることで、自分の貢献が評価されていると社員が実感しやすくなり、職場に対する満足度が向上する効果が期待できます。

レコグニションが注目されている理由

レコグニションは、英語圏ではビジネスシーンでもよく使われる言葉ですが、日本ではまだ馴染みがないかもしれません。それでも、近年、この言葉が注目されている背景には、職場での「エンゲージメント」の向上が求められていることがあります。職場でのエンゲージメントが高い社員は、仕事に対する意欲が強く、生産性も高くなり、企業の成長に貢献することが期待されます。

しかし、エンゲージメントを引き出すためには、「自分が組織に必要とされている」と社員が感じる必要があり、その感覚を高めるためにレコグニションが有効であるとされているのです。

また、グローバル化やデジタル化の進展により、リモートワークやフレキシブルな働き方が普及する中、社員同士が離れた場所で働くケースが増加しています。こうした働き方のもとでは直接的な交流が減るため、成果が見えにくくなりがちですが、レコグニションの仕組みを活用すれば、社員の貢献を可視化し、チームとしての一体感を保つことが期待できます。

レコグニションとリワードの違い

レコグニションとしばしば混同されるのが「リワード」です。どちらも社員のモチベーション向上を目的とし、貢献や成果を評価する手段という点で共通していますが、この二つには明確な違いがあります。

レコグニションは、主に「感謝」や「賞賛」を通じて社員の努力を認めることで、無形の価値を提供します。一方、リワードはボーナスや昇進など、具体的なインセンティブを通じて社員の働きを評価する行為です。

リワードは即効性がある一方で、短期的なモチベーション向上にとどまる場合が多いのに対し、レコグニションは長期的に社員のエンゲージメントを維持・向上させる役割を果たします。

レコグニションのメリット

レコグニションにより社員が評価されていると感じることで、自己の仕事や組織へのコミットメントが高まります。社員一人ひとりにポジティブな影響を与えるだけでなく、企業全体にもよい影響が表れます。以下に、レコグニションを取り入れるメリットを3つ紹介します。

  • エンゲージメントの向上
  • 離職率の低下
  • ポジティブな企業文化の形成

それぞれ詳しく見ていきましょう。

エンゲージメント向上

レコグニションは、社員が会社やチームに対して「認められている」「信頼されている」という感覚を強め、エンゲージメント向上につながります。エンゲージメントが高い社員は組織への愛着が強く、仕事に対する積極性も増し、結果的に生産性向上やチームの一体感を高めることに貢献します。

離職率の低下

レコグニションによるエンゲージメントの向上は、会社への帰属意識を高め、社員に「長期間会社にとどまりたい」という意欲を起こさせます。その結果、離職率が低下します。また、安定した人材基盤が築かれることで、新たな人材の補充が減少するため、採用コストの低下にもつながります。

ポジティブな企業文化の形成

レコグニションの文化が根付いた企業では、社員同士が互いを認め合い、積極的に感謝や賞賛の言葉を掛け合う風土が生まれます。これにより、職場にポジティブな雰囲気が広がり、新しい社員にもその文化が伝わりやすくなります。

レコグニションは社員一人ひとりにポジティブな影響を与えるだけでなく、エンゲージメントの向上や離職率の低下、企業全体の文化にまで影響を及ぼします。このため、多くの企業が重要な組織戦略としてレコグニションを取り入れるようになっています。

レコグニションに取り組んでいる企業の例

近年、多くの企業が、社員の貢献や努力を積極的に賞賛する文化を育てています。その方法は、社内での感謝の共有や表彰制度、アプリを使ったポイント付与などさまざまです。以下に、レコグニションに取り組んでいる企業を3社紹介します。「レコグニション」という単語をそのまま使ってなかったとしても、社員の定着率向上を考える人事担当者にとってはきっと参考になるはずです。

日本マクドナルド

日本マクドナルドは、社員やフランチャイズ、サプライヤーの功績を認める「レコグニション文化」を大切にしています。たとえば、優れた店長に贈られる「レイ・クロック・アワード」や「シャイニング・ライト・アワード」など、多様な賞が用意され、日々のチームワークと感謝を促進しています。また、社員同士が「ありがとう」を言い合うなど、日常的な賞賛が職場文化の一環として重視され、働きやすい環境が育まれています。

参照:日本マクドナルド

GMOメディア

GMOメディアでは、ピアボーナスツール「Unipos」を導入し、社員同士が感謝や賞賛を送り合う文化を育んでいます。社員が他の社員の業績やサポートに感謝を表し、それに対してポイントが付与される仕組みを整えたことで、社内コミュニケーションが活性化されました。この取り組みによって、異なる部署間での相互理解が深まり、日常的な業務の中でも「他者貢献」への意識が高まるようになりました。

参照:Unipos

メルカリ

メルカリの「メルチップ」は社員同士が感謝をインセンティブとして送り合うピアボーナス制度です。メルチップでは、感謝の内容が公開され、他の社員も「拍手」などで賞賛に参加できるため、メッセージは社内で共有されます。この制度により、リモートワークが普及する中でも社員同士のつながりやモチベーションが維持され、組織内のコミュニケーションが活性化されるという効果が生まれています。

参照:メルカリ

レコグニション導入の5ステップ

レコグニションを効果的に導入・運用するには、計画的な設計と綿密な準備が不可欠です。以下に、レコグニション制度を成功させるためのステップを5つに分けて紹介します。

  1. 目的と目標の設定
  2. レコグニションの仕組み設計
  3. レコグニション方法の選定
  4. 社員への周知
  5. 成功事例の共有

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 目的と目標の設定

レコグニション制度を導入する前に、その目的を明確にすることが重要です。目的としては、「エンゲージメント強化」や「離職率の低減」などが考えられます。具体的な目標や達成したい効果を設定し、全社員が共通理解を持てるようにします。

2. レコグニションの仕組み設計

どのような行動や成果がレコグニションの対象となるかを明確にし、基準を設けます。たとえば、「チームへの貢献」や「顧客満足度の向上」などが考えられます。また、賞賛や感謝を表す手段として、社内SNSでのメッセージや表彰制度などの仕組みを設計し、社員が利用しやすい仕組みを整えます。

3. レコグニション方法の選定

社内表彰やポイント付与、感謝のメッセージを送るためのツールなど、企業の風土や規模に適した方法を選びます。たとえば、社内SNSや専用アプリを活用すると、リモートワークでもリアルタイムで賞賛や感謝を共有でき、全社員がアクセスしやすくなります。

4. 社員への周知

レコグニションの導入には、それを利用する社員の理解が不可欠です。新しい制度を導入する際は、社員全員にわかりやすく周知しましょう。たとえば、社内説明会やオンラインセッションの実施やガイドラインの公開などを通じて、制度の趣旨や利用方法を説明することが重要です。

5. 成功事例の共有

成功したレコグニション事例を全社で共有し、他の社員にも良い影響を広めることが大切です。社内報や会議、オンラインプラットフォームなどで積極的に取り上げ、賞賛が続くように促すことで、社内の文化として定着していくでしょう。

レコグニション導入後も定期的に効果測定を行い、社員からのフィードバックを得ることが重要です。たとえば、社員アンケートを通じて、制度が期待通りに機能しているか、改善すべき点はないかを確認します。必要に応じて仕組みや評価基準を見直し、より効果的なレコグニションを目指しましょう。

まとめ

レコグニションとは、社員やチームの貢献や成果を再認識し、賞賛や感謝を表明する取り組みです。社員の貢献を賞賛することは、エンゲージメントを高め、職場の生産性や満足度を向上させる重要な要素になります。企業がレコグニションの文化を定着させることで、社員一人ひとりが自己の成長と企業の成功に取り組める環境が整うでしょう。

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