Contrea株式会社 導入事例

スキルベースのコミュニケーションで、個々人の成長を後押ししたい

Contrea株式会社

Contrea株式会社 執行役員CSO / CHRO
西尾 輝 氏

導入の背景
小さな貢献も見逃さない称賛文化を構築
導入の決め手
社員の成長を実現するこれまでにないプラットフォーム
社名
Contrea株式会社
業種
IT・インターネット
従業員数
11名~50名
課題
リスキリング・人材開発
エリア
関東

導入の背景

小さな貢献も見逃さない称賛文化を構築

弊社は「医療にかかわる全ての人に安心を。」をミッションに、2020年に創業したスタートアップです。現在は「医患連携」という言葉を広げ、医療者と患者さんがデジタルで連携し、働き方改革と患者エンゲージメント向上の両立を支援する「医患連携クラウド MediOS」を医療機関向けに提供しております。患者を軸として人や企業、情報を繋ぎ、患者体験に還元することで「医療にかかわる全ての人に安心を。」つくるプラットフォームを目指しています。社員は現在(2024年9月時点)22名で、業務委託を含めると約50人が在籍しています。

私自身は執行役員として、経営企画室、Medicalチーム(主に動画コンテンツ制作)、マーケティングチームを統括し正社員8名、インターン含めると20名のマネジメント、人事領域については採用担当のメンバーと2名体制で幅広い業務を担当しています。その中でも組織体制の基盤づくりを担う経営企画室のミッションは、経営の意思決定の速さや質の担保になります。通常のコーポレート部門と比べると、事業推進を加速するための活動により力点が置かれているのが特徴です。チームとしては経理、法務、管理会計なども守備範囲になりますが、組織作りは事業を成長させる根幹なので、私自身の稼働配分はHR・人事業務に多くの時間を割けている状態が理想だと考えています。

そもそも、コントレアはカルチャー推進に非常に力を入れており、特に大事にしているのが「称賛文化」の構築です。「cheers」という独自のピアボーナス制度をエンジニア主導で運用しており、3か月で1000個もの称賛が飛び交っています。また、3か月に1度、バリューを体現しているメンバーを表彰する制度があります。数値目標達成のようなわかりやすい結果だけでなく、普段あまり日の目を浴びることのないような行動を積極的に称賛しているのがポイントです。成果については評価制度でフィードバックを行っていますが、わかりやすい成果を出した人がいる一方でその成果を支える「このメンバーのこのアクションがあったからこそ、会社が大きく前進した」という事実を見逃さないように心がけています。

また、称賛・交流の機会である「Winners Session」も毎週実施しています。社員一人ひとりがSlack上で週次の活動報告をして、それに対して「今週はこの人の取り組みが一番素晴らしかった」と思うメンバーに各自が投票します。評価される活動の種類はその時々で異なりますが、自分や部署の業務範囲に直接関係がなくても気にかけて積極的に動ける人に自然と票が集まる傾向にあります。こういう姿勢が「コントレアらしい人」であるという共通認識ができているのは嬉しいですね。

われわれのサービスは医療機関向け、特に病院が主な顧客となります。そもそも「エンタープライズ企業(組織)×バーティカルSaaS」という事業ドメインには、ビジネス上の目に見える結果が出るまで一定の時間がかかるという性質があります。そのため、世の中広く流通している組織論と被らない特殊な生態系になっているということも見過ごせないポイントになっています。そこで、事業推進と並行して、組織の土台づくりにも創業初期からかなり力を入れて来ました。

自分たちは何者なのか、どのような人材を採用するのかといった組織のカルチャーや採用基準は、事業成長と両輪で考える必要があります。大前提として組織は事業を伸ばすために存在するので、事業の固有性を無視して、他社のベストプラクティスをただ踏襲するだけではうまくいきません。例えば弊社の場合、対象顧客数が限られていることもあり、一社一社へのアプローチをより細かく丁寧に行う必要があります。そのため、社員同士の連携を密に行ない、現場の課題、そこに向き合うチームがどんな課題を抱えているかについて「気づきの質」を上げていくのが大切です。カルチャー構築には、こうした価値観を言語化することが欠かせません。

また、カルチャー推進の一環で「スタートアップ版 人的資本開示」の開示にも取り組みました。上場企業を対象に義務化されたことで、人的資本開示はホットトピックとなりましたが、われわれのようなフェーズのスタートアップが実践するのは珍しいと言っていただくことが多いです。私の考えとしては、ただ「組織作りに力を入れます」と言って施策に取り組むよりも、開示すること自体を一つのゴールとした時に、自分たちの組織に足りないものや取り組むべきものを整理し、パブリックな評価に則って人事施策に取り組んだ方が、社員の納得度も増すし、結果的にスピードが速いだろうと判断したのです。人の集合体で組織を運営している以上、施策の質だけでなく社員の納得度というのはとても影響力が強いからです。そういう意味では、公的な指針が出たタイミングはチャンスでした。社会的に必要とされているものの中でもフェーズに応じて優先度を定めて取り組むべきことを掲げることで、内外で納得感のある結果をもたらすことができるからです。

開示してみた結果としては、まず採用に効果を感じています。人的資本開示をきっかけに、「組織の向かう先が見えて安心できる」と業務委託から正社員になってくれたメンバーも存在します。これまでも安心して働く環境のある良い会社だなという印象は感じていただいていたと思いますが、経営陣がいま何を目指していて、どういう組織づくりをしたいと考えているのかを丁寧に伝えることができたため、良い判断材料になったのではないかと思います。

(参考:「PeopleWork」のダッシュボード画面)

導入の決め手

社員の成長を実現するこれまでにないプラットフォーム

業務拡大に伴い、人員も今後30人、50人と段階的に拡大していく計画です。そのため、どこかのタイミングでタレントマネジメントシステムを導入する必要性を感じていました。最初に「PeopleWork」のデモを拝見したとき、UIが洗練されていて、直感的に理解しやすかったことに非常に感銘を受けました。これまで自社でもNotionを使って社員個々人の自己紹介ページを作っていましたが、そこへさらにスキル管理を追加できるのが魅力的でした。マネージャーがチームメンバーの保有スキル、あるいは獲得したいスキルを確認した上で目標設定をするなど、目標設計を行うコミュニケーションの質が上がることが想定できたためです。

通常のタレントマネジメントシステムは、経営層や人事部門に意思決定の材料を提供するツールとして使われます。「PeopleWork」は、社員同士のコミュニケーションと個々人の成長が紐づいているのがユニークだと思いますね。

実際に導入してみて、もっと早く使い始めたかったというのが正直な感想です。プロフィールの記入はどうしても入社のタイミングで記載してもらうのが一番スムーズですが、ちょうど弊社は今年の前半に社員採用が進んだからです。入社後のオンボーディングプログラムの中に、「PeopleWork」に記載することをタスクとして組み込むことができると、新入社員にとっては、自分について既存社員に知ってもらい交流を生むきっかけになります。

今後期待すること

オンボーディング期間の短縮やマネージャー育成

事業の成長速度が上がってきたことで、新入社員のオンボーディングのスピードも加速する必要性が出てきています。これまでのように「事業も探索、組織の在り方も探索」というフェーズから抜け出すためには、誰か一人が育てる役割を担うのではなく、会社全体で新入社員が組織にいち早く馴染み、成果を出せるよう支援するという考え方が大事だと思っています。そのため、「PeopleWork」をうまく活用し、スキルの獲得、カルチャーの浸透をバランスよく行い、われわれが力をいれている称賛文化も、プロフィール画面にバッジをつけたりして、表彰の履歴が見れたりすると面白いと思います。

また、マネージャーやボードメンバーを育成する研修も今後の重要テーマです。業界特性上、弊社の場合、マネジメント経験者を外部から採用して即戦力として活躍していただくのはハードルが高いと思っています。そうなると、これまでの様々な積み重ねをしっかり理解している社内の人材を抜擢することになるため、現状足りないものを補い、昇格させるための仕組みづくりが肝になります。

ここから会社の成長フェーズが変われば、組織づくりに求められるものも変化します。そうした変化に対応できるように「PeopleWork」上の情報を元に、いまどういう施策が必要なのかを判断していくことが出来れば、経営の質、事業の質、ひいてはミッションの達成につながると考えています。

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