人材採用

2024.12.19

エンジニア向けのオンボーディングとは?メリットや導入の手順、事例を紹介

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エンジニア向けのオンボーディングとは?メリットや導入の手順、事例を紹介

エンジニア向けのオンボーディングは、エンジニアが新たな環境に早期に順応し、スムーズに業務をスタートできるよう支援するための重要な取り組みです。この記事では、エンジニア向けオンボーディングの特徴や一般的なオンボーディングとの違い、導入ステップ、企業の事例などを紹介します。

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エンジニア向けのオンボーディングとは?

オンボーディングとは、新入社員が組織や業務に素早く馴染み、スムーズに仕事を始められるようサポートする取り組みのことです。通常のオンボーディングは、企業のビジョンやルールの共有、業務の理解促進に重点を置く一方、エンジニア向けのオンボーディングではこれらの要素に加え、開発環境やツールの設定、コードベースの理解、技術スタックの習得など、技術的なサポートも重要な要素となります。

エンジニア向けのオンボーディングが求められる理由

近年、エンジニア職の採用はかつてないほど競争が激化しており、優秀なエンジニアの確保が一層難しくなっています。急速な技術の進歩やデジタル化に伴い、企業は優秀なエンジニアを求めている一方、求人市場における技術人材の不足が課題となり、需要と供給のミスマッチが生まれています。このため、新たに採用したエンジニアを長期的に定着させ、会社の成長に貢献してもらうことが、企業の重要な課題となっています。

エンジニア向けのオンボーディングを導入することは、エンジニアの即戦力化を促すとともにエンゲージメントを向上させ、結果としてエンジニアの離職率低下や企業の競争力の維持・向上にもつながります。

また、リモートワークや多様な働き方が求められる中、社員同士の距離が物理的に離れることも多くなりました。そのためオンボーディングによって早期に企業文化や価値観を浸透させ、エンジニアが職場への帰属意識や一体感を持ちやすくすることが、ますます重要になっています。

一般的なオンボーディングとの違い

エンジニア向けオンボーディングでは、一般的な新入社員へのオンボーディングに加え、技術的なサポートや実務へ重点を置いたサポートが必要となります。以下に、エンジニア向けのオンボーディングに必要なサポートを4つ紹介します。

  • 技術面での準備
  • コードベースの理解
  • セキュリティやプライバシー知識の習得
  • コードレビューとフィードバック

それぞれ詳しく見ていきましょう。

技術やツールの準備

エンジニア向けでは技術環境のセットアップが不可欠です。その組織が普段使っているツールのインストールや設定、データベース・アーカイブへのアクセス権付与など、エンジニアがすぐに開発に取り組める状態を整える作業が含まれます。

コードベースの理解

エンジニア向けオンボーディングでは、既存のコードベース(業務に必要となるソースコードの集まり)

への理解が求められます。これにはプロジェクトの概要や主要なアーキテクチャ、コーディング規約などの理解が含まれます。新しく入社したエンジニアが効率的にチームの一員として活動できるよう、先輩エンジニアが情報共有するとともに技術的な支援を行うことが重要です。

セキュリティやプライバシー知識の習得

一般のオンボーディングでの基本的なセキュリティ講習に加え、エンジニアはシステムセキュリティやデータ保護に関する詳細な知識を身に付ける必要があります。とくにアクセス権管理やコードベースのセキュリティに関わる知識を学ぶことで、会社のデータやシステムを守る基礎を身につける必要があります。

コードレビューとフィードバック

エンジニアのオンボーディングでは技術面での成長をサポートするため、ソースコードの品質を定期的にチェックし、フィードバックを行う必要があります。新人エンジニアが技術的に迷わないよう、スキルの確認や必要に応じた調整を図りましょう。

エンジニア向けにオンボーディングを行うメリット

エンジニア向けに特化したオンボーディング導入は、エンジニアが早期に環境へ適応できるようになるだけではなく、社員の早期戦力化や企業全体の生産性向上にも影響を与えます。以下、エンジニア向けオンボーディングのもたらす具体的なメリットを3つ紹介します。

  • 業務の円滑化
  • スキルの向上支援
  • 企業文化の浸透

それぞれ詳しく見ていきましょう。

業務の円滑化

エンジニア向けオンボーディングは、必要な技術のトレーニングや開発環境のセットアップが早期に整うため、エンジニアが即戦力として活躍できる環境が整います。とくにツールの使用方法やコードベースの理解が早い段階で進むことで業務が円滑に進み、結果としてチーム全体の生産性にもつながります。

スキルの向上支援

エンジニア向けオンボーディングでは、実務に必要なスキルを効果的に習得できる機会が用意されています。新入エンジニアは、先輩社員からの技術的なアドバイスやフィードバックを受けながら学びを深め、キャリア形成に役立つスキルを早期に獲得することができます。

企業文化の浸透

オンボーディングを通じて、企業文化や価値観がエンジニアに早期に伝わることで、新入エンジニアも会社が目指すビジョンやチームの方向性を理解しやすくなります。企業文化を理解することは、プロダクトの方向性や開発スタイルにも大きく影響を与えます。企業の価値観を共有しているエンジニアは、プロダクト開発の際にユーザー目線や企業が重視するポイントを意識した意思決定ができるため、より企業のビジョンに沿ったプロダクトが生まれやすくなります。

エンジニア向けのオンボーディングは、一般的な社員のオンボーディングと比べて、より短期的かつ直接的に効力を発揮する点が特徴です。この即効性のある支援は、とくに開発スピードが求められる企業にとって大きなメリットとなります。

エンジニア向けオンボーディング導入の5ステップ

エンジニア向けオンボーディングの導入には、とくに技術的な環境整備や実務を意識したトレーニングが重要です。以下に、具体的な導入手順を5つのステップに分けて紹介します。

  1. 開発環境の準備
  2. 企業文化やチームメンバーの紹介
  3. セキュリティやコーディングへの理解促進
  4. 進捗確認とフィードバック
  5. 評価と振り返り

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.  開発環境の準備

新入社員が使用するPCやソフトウェアなどの業務に必要なツールを入社前に準備します。事前に開発環境を整備し、アカウントを発行しておくことで、初日からスムーズに作業に入れるようになります。また、プロジェクトの概要や開発フロー、セキュリティ規則に関するドキュメントなどを準備するとともに、オンボーディング中に確認しやすくするため、社内の情報共有ツールなどにまとめておきましょう。

2. 企業文化やチームメンバーの紹介

企業のビジョンやミッション、チームの目標や文化について紹介し、新しいエンジニアが企業の価値観を早期に理解できるようにします。社内で使用するコミュニケーションツールの案内や、他のチームメンバーとの顔合わせを行い、質問しやすい雰囲気を作ることも大切です。また、基本的な業務フローや、社内システムの使用方法について説明します。たとえば、タスク管理ツールの使用方法や、チーム内でのプロジェクト進行のルールなど、日常業務で使うツールとその運用方法を説明します。

3. セキュリティやコーディングへの理解促進

新入エンジニアが実際にツールをインストールし、開発環境を整えます。また、セキュリティポリシーやデータの扱い方についてのガイドライン、既存のコードベースに関する説明を行います。新入エンジニアがチームのプロジェクト構造や主要なコードの流れを理解できるよう、解説やサンプルタスクを用意するなどして、チームのコーディングやレビューに慣れてもらうのも効果的です。

4. 進捗確認とフィードバック

オンボーディング期間中は、週1回程度のペースで進捗確認のミーティングを実施することが重要です。タスクの進行状況や困っている点を確認し、必要なサポートを随時提供することで、業務における不安を解消します。また、経験豊富なエンジニアがメンターとなり、技術的な質問や業務上の疑問に対応する制度を整えるとともに、問題が発生した際は迅速に支援できる体制を整えましょう。

5. 評価と振り返り

オンボーディング期間終了後、エンジニアのスキル習得状況や業務適応度を評価します。エンジニア本人にもオンボーディングの振り返りをしてもらい、今後のキャリア開発やスキルアップに向けた方向性を確認します。また、オンボーディング期間で得た改善点を記録し、次回以降のオンボーディングプロセスに反映します。

【PeopleX流】エンジニアのオンボーディング90日プラン

中途採用のエンジニアの場合、オンボーディングは90日間を見ておけば良いでしょう。以下に、「入社前」「1ヶ月目」「2ヶ月目」「3ヶ月目」の各期間にやるべきオンボーディングタスクを一覧仮しました。ぜひ参考にしてください。

なお、ファインディ株式会社 取締役 CTOの佐藤氏によれば、エンジニアのパフォーマンスを測る指標としては、「プルリク作成数」が有用です。オンボーディング終了の時点で、プルリクの作成数を定量的に計測できると、オンボーディングが成功したかどうかが可視化できるのでおすすめです。

エンジニア向けオンボーディングの導入事例

エンジニア向けオンボーディングを導入している企業は多く、その企業の文化によって特徴もさまざまです。以下に、エンジニア向けのオンボーディングを導入している企業とその特徴を3つ紹介します。

GitLab

ソフトウェア開発企業のGitLabでは、各エンジニアに「オンボーディングバディ」が付き、技術面や日常業務での質問対応を行い、リモート環境でもスムーズに業務を開始できる体制が整っています。また、開発環境の設定やツール活用方法を網羅したドキュメントを提供することで、新入社員が自分のペースで学習できるようサポートしています。

参照:GitLab

メルカリ

メルカリではリモート環境でもスムーズに業務を始められるよう、基礎技術の設定、技術トレーニング、リーダーとの交流、ドキュメント管理に重点を置いています。まず、GitHubやJIRAなどで基本の開発環境を整備し、バックエンド・クライアント別の技術トレーニングを通じて実践力を高めます。さらに、リーダーとのチャットで企業文化を理解し、常に最新情報にアクセスできるようドキュメントも徹底管理しています。

参照:メルカリ

BASE

BASEでは、入社初日に開発環境のセットアップやSlackでの専用チャンネル開設、質問やサポートが整えられます。2日目にDockerを活用したスムーズな環境構築、3日目には最初の開発タスクを通じた業務フローの習得が行われます。また、リリースまでの手順が効率化されており、新入社員が早期にリリース体験をできる仕組みも特徴です。

参照:BASE

まとめ

エンジニア職では、専門的なスキルや知識が不可欠だからこそ、オンボーディングに力を入れることが重要です。開発環境やツールの使い方、既存のコードベースの理解といった具体的なスキルを習得することで、エンジニアは早期に戦力として活躍できるようになります。また、スムーズな技術習得ができるオンボーディング環境を整えることで、新入社員の不安を軽減し、職場への定着率向上にもつながります。技術的な支援が手厚いオンボーディングこそが、エンジニアが実力を発揮しやすい環境づくりの第一歩となるでしょう。

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